近代日本の日記文化を研究するプロジェクト「近代日本の日記文化と自己表象」の成果発表とも言えるシンポジウムが、2019年9月28日(土)と29日(日)の二日間にわたって、東京にある明治学院大学白金校舎で開催されます。
「近代日本を生きた「人々」の日記に向き合い、未来へ継承する」と題したこのシンポジウムに、手帳類収集家も研究プロジェクトの一員として発表と特別対談をやります。
詳しくはリンク先の詳細を見ていただくとして、収集家の発表と特別対談は、どちらとも初日(9/28)のほうです。開かれたシンポジウムで、どなたでも無料で参加できます。
発表させていただく内容は「手帳類プロジェクトの取り組み 見物から研究へ、私的な記録がひらく可能性」という長い題名です。これでも、2017年に同研究会で発表したものよりは短くなっています。そしていまとても困っていることに、研究会のときは60分あった持ち時間が今回は25分しかありません。しかも、2017年のときよりも内容を盛り込みたいのに、です。おおよそプロジェクト紹介はダイジェストになりつつ、「日記帳と手帳の文化史に向けて」という第1部のテーマともなんとか交わらせていきたいところです。
(よって9月は資料作りで大忙しになる見込み)
題名にもこめましたが、手帳類はもう丸5年の活動になっていて、プロジェクトとして見ると初期衝動/入り口的な面白さの段階は過ぎたと感じています。ここからさらに手帳や日記の面白さを味わい共有していくためには、もっと深く読んで分け入っていくしかない。そのための研究的なアプローチが第二期手帳類プロジェクトの課題になってくるはずで、それに先駆けた構想や可能性を発表としてまとめながら、参加者のかたたちへプロジェクトに関わってほしいと呼びかけるつもりです。
当然のことにはなりますが、じっくりと時間をかけて読んで考えたとしても、新たな面白さが必ず発見される保証はありません。手帳類ならではの面白さが実は無かったという結論もありえますし、その怖さもあります。それをも想定した上で、いよいよ冒険に出ようという意思表明をしていきます。
さて、個人的に楽しみにしているのは対談のほうだったりします。自分でも思っていなかった新しい着想や理解がこういった一期一会の対談では生まれやすいからです。事前準備が要らないのもありがたいですが、その分、何が出てくるかは当日の身体コンディションに大きく影響されます。健康だけは整えておきたいところです。
思えば、この研究会を主催する田中祐介さんとは、前回のシンポジウム(2016年)に出会ったのが最初です。前日まで茨城県北芸術祭に行く予定だったのですが、シンポジウムのことを知って急遽予定を変更したのです。いまやっていることを思えば、大きな分岐点でした。
ここまで長くなってしまいましたが、このシンポジウム全体に目を向けますと、1人当たりの発表時間が短いのが特徴です。持ち時間の25分は学校の授業よりも短くて、スポーツで言えば野球やサッカーに対する相撲のようなもの。色とりどりの発表が次から次にやってくる感じで、退屈はしないと思います(まったく興味を持っていない場合をのぞく)。なので、学術的なシンポジウムに慣れていない人にもおすすめです。僕も3年前は楽しめるか少し心配しましたが杞憂でした。もちろん2日間通して座るとなれば、それなりに体力はいるのですが…。
繰り返しになりますがシンポジウム自体は無料です。目安として、手帳類収集家Twitter(@note_collector)の140文字いっぱいを使ったツイートをみて面白いと感じる人ならぜひ来てください。休憩時間などに声をかけてくださると嬉しいです。
それではお越しをお待ちしております。