近代日本の日記文化と自己表象。

誰にも見せない前提で書かれたものを読むことは、プライベートな記録を覗き見るという楽しさを伴います。ただ、楽しさはそこに留まらないと確信的に感じてもいます。

では他にどんな楽しみの可能性があるのか。まだまだ探求の途中ではありますが、ひとつの方法として学問的なアプローチがあります。この記事では手帳類と連関していると思われる試みを紹介したいと思います。

「近代日本の日記文化と自己表象」プロジェクトは近代の日記を通して読むことや書くことについて文化的な側面から光を当てた活動です。田中祐介さんが代表をつとめています。手帳類収集家は「学際シンポジウム」を物見遊山したことがきっかけで研究会にも参加するようになりました。

昨年は「手帳類プロジェクトの現在地―同時代の手帳を用いた私的領域の共有・更新・可能性―」というオーバーな題名で発表もさせていただきました。手帳類の活動履歴、プロジェクトの設計、プライベーツマンシップ(privatesmanship)の理念などを話しました。

偶然だと思いますが「近代日本の日記文化と自己表象」も「手帳類」も活動開始タイミングが2014年という縁があります。前者は近代、後者は現代の記録を主に扱っていますが、読み書きやその行為のことなど通底する部分は少なくないと感じました。学んだことはここでも少しずつ書き残していきたいです。

そんな「近代日本の日記文化と自己表象」プロジェクトですが、次回の研究会は3月18日にあります。『日記文化から近代日本を問う』公開書評会とのことで、収集家も参加予定です。どなたでも参加可能ですので良かったらいらしてください。

読書会ですので『日記文化から近代日本を問う』 は読んでおいたほうが良いかもしれません。読まなくても参加可能かはお問い合わせください。